恋愛&結婚 社長と副社長は夫婦…一方的に解雇されたキャリア女子が下した、不倫相手との決別~その1~

男女関係になり、献身的に仕事をしてしまう

もともと、聡志さんのビジネスの才覚もあったのでしょうが、貴子さんともう一人のメンバーの献身的な働きによるものも少なくありませんでした。以来、聡志さんは2人を、もう一つの家族だと言って、手厚く遇してくれるようになりました。

やっと穏やかな日常を過ごすことができはじめた、貴子さんにとって事件は、ある日突然起きました。

ある日、聡志さんと行った営業先での打ち合わせが、終電近くになってしまい、聡志さんから「一杯やっていこう」と初めて誘われたのです。

その日は、ここ数日大きな契約がヤマ場を迎えていることもあり、聡志さんの精神的な疲労がピークに達しているようでした。

「私は、仕事の付き合いは、プライベートに持ち込まないので、飲み会のすべてをお断りしていました」と語る貴子さん。これまでに聡志さんに限らず、夜に男性と2人で飲むことを避けていました。しかし、その日の聡志さんの表情を見て、一杯くらいなら、という気持ちで、付き合うことにしたのです。

開いているいるバーに入り、飲み始めてしまえば、一杯が二杯、そして三杯へと移っていきます。2人にほどよく酔いがまわった頃、突然、聡志さんは、妻の美香さんとずっと折り合いが悪いことを、告白し出したのです。

貴子さんは、聡志さん夫婦のことについても、あまり詳しく知りません。というより、他人の家庭のことには首を突っ込まないようにしていました。そんな貴子さんに、聡志さんは畳みかけるように、言い放ちました、「実はずっと貴子さんのことが好きだった」と。

その夜のことを、貴子さんはあまり覚えていません。ただ気づいたら、ベッドの横に聡志さんがいたこと。慌てて身支度を整えてホテルを出て、タクシーに乗って自宅に帰ったこと。そして出勤したら、そこに何食わぬ顔で聡志さんがいたことだけは鮮明に覚えていたそうです。

記憶が曖昧だったといえ、何が起きたのかは貴子さんも理解できています。それでも、あれは酔った上での事故。貴子さんは自分の心の中で、そう処理するつもりでした。

しかし、その日以降、聡志さんからの誘いが増えるようになります。そしてその度に、聡志さんは「妻の美香とは離婚も近い。そうして離婚したら、貴子さんと一緒になりたい」と言うのです。

最初はとても本気とは思えませんでしたが、熱量たっぷりに何度も聡志さんから聞かされるうちに、貴子さんの気持ちは、いつしか聡志さんに対して本気になっていたのです。

貴子さんは当時を振り返り、「彼のこと、彼の仕事のことをわかるのは、私しかいない」と思い、寝ても覚めても彼の事と仕事のことを考えていました。彼の利益と私の利益が一つになり、疲労で倒れそうになっても、“愛の力”で仕事をしていました。

「誠実で仕事ができる」と高く評価されていた憧れの上司だったからこそ、転職の誘いに乗り、一心同体で仕事をしてきた。

散々働かせて、利益を出した挙句に、不当解雇されてしまう……~その2~に続きます。

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賢人プロフィール

恋愛・キャリアの賢人小川健次

恋愛カウンセラー/営業・マーケティングコンサルタントとして、年間約500名の女性をカウンセリング。恋愛とキャリアの両立のためのアドバイスが支持される。同時に、中小企業を対象とした営業、マーケティングのコンサルティングを行なう。 株式会社リエゾンジャパン代表取締役、社団法人感覚刺激と脳研究協会理事ほか、多岐にわたる活動をしている。
Blog : https://ogawakenji.com/