恋愛&結婚 急増する「Uターン転職」都会と地方の決定的な差は何か~その2~

結果を出すことではなく「同化」が大切

翌日、ホールにいる客が、遠巻きに理恵子さんを見ては、ひそひそ話していることに気づきます。

何かおかしいと思った理恵子さんが、顔見知りの女性客の一人に声をかけると、彼女はニヤニヤ笑いながら「あんたも可愛い顔してやるもんだね。早速、佐藤んのところの倅に手ぇ出すとはやるねえ」と。

最初は何を言われているのか、理解できなかった理恵子さんでしたが、すぐに合点がいきました。昨夜、勇二さんに車で送ってもらったことが、すでに街中に知られ、それに尾ひれがついているのだとわかったのです。

「よかったわね」「これで赤ちゃんも……」と笑顔で理恵子さんに話しかける女性客。

理恵子さんは、あっけに取られてしまいました。そして、その次の休日に、飛行機で私のオフィスまで飛んで来ました。これまでの顛末を話し「彼らには全く悪気はありません。ただ、私とは違う世界、違う価値観の中で生きています。この先、本当に地元で生きていけるのだろうかと思ったのです。今後どうすればいいのでしょうか」と続けます。

理恵子さんは、男女も経歴も関係なく競争にさらされ「結果が全て」という価値観を中心に生活してきました。しかし、地方のコミュニティに置いて、結果を出すことがよいとは限りません。「同化すること」が強く求められることも多いのです。

今は人間関係が密な共同体で生活しています。私は「共同体の価値観と共存するのは難しいのではないか」と提案しました。もちろん、年齢を重ねていく中で変わっていく部分もありますが、それにはある程度の負荷もかかってくるものです。

男性からの過度なボディタッチも、共同体全体が家族のような感覚だからかもしれません。理恵子さん「わかりました。ひとまず、父と話します」と家に帰ります。帰宅すると、父は「理恵子は東京に帰りなさい」と言ってくれました。そして、理恵子さんは前の会社に再就職。父は専務だった人に事業の譲渡準備に入ったそうです。

それから約1年、理恵子さんは充実した日々を送っています。

「父とは毎日のようにリモート会議をしています。父が会社を引退し、通販事業だけを持って東京に来ることになったんです。今は父の新会社の登記や事業計画書作成などでとても忙しくしています」

人が流動的に動く都市部と地方での意識の差を感じ、都会に再度戻る人は少なくない。

賢人のまとめ

1.都会で疲れて故郷にUターンし、失望する人は少なくない。 2.共同体の価値観と、人が流動している都会の価値観は異なる。 3.常識は「多数決」で決まることが多く、周囲の人の意識を変えるより、自分が合わない場所から離れた方がロスが少ないことも多い。

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賢人プロフィール

恋愛・キャリアの賢人小川健次

恋愛カウンセラー/営業・マーケティングコンサルタントとして、年間約500名の女性をカウンセリング。恋愛とキャリアの両立のためのアドバイスが支持される。同時に、中小企業を対象とした営業、マーケティングのコンサルティングを行なう。 株式会社リエゾンジャパン代表取締役、社団法人感覚刺激と脳研究協会理事ほか、多岐にわたる活動をしている。
Blog : https://ogawakenji.com/