恋愛&結婚 アラサー女子の転職失敗から学ぶ、結婚・出産とキャリアプランの両立~その1~

人事部長は「くれぐれも短気を起こさないで」と

転職先の会社では、入社前から人事部長が百合子さんを高く評価してくれていて、入社のときには満面の笑みで百合子さんを迎えてくれました。人事部長も、外資系企業からの転職組で、百合子さんとはウマも合います。

その人事部長が、入社前の面接のときに、百合子さんに強く言っていたことがあります。「うちは老舗企業ということもあって、考えが古い人が多い。だからこそ変わらなければいけないし、自分はそのために雇われていると思っている。そして、百合子さんにも力を貸して欲しいのです」

そう言われた百合子さんは、仕事へのモチベーションが高まったと言います。

人事部長はさらに「とにかく外資の感覚と違うから。合理性よりも情が優先されることがあるから。くれぐれも短気を起こさないでほしい。変化には相応の時間が必要なときもあるのです」と念を押すように言うのでした。

百合子さんが配属されたのは、仕入れ部門にあるいくつかのチームのうちの一つです。まずはそのチームのサブリーダーとして、現場を理解しながらチームリーダーを経て、数カ月で部門のマネージャーへ昇格するということになっています。

社内では「30そこそこの女性に何ができる」という声があったと言いますが、部長は押し切ってくれたとか。

実際に仕事を始めてみると、皆の実直で真面目な仕事ぶりに感激はしたものの、確かに慣例や慣習に囚われすぎているような気もします。百合子さんが、もっといい方法があると提案しても、「これが今までのうちのやり方だから」とやんわり拒否されることがしばしばあるのでした。

ここで、人事部長の言葉の意味がわかったような気がした百合子さんでしたが、それ以上に百合子さんが怒りと絶望を覚えたのは、仕事とは違う問題でした。

ある日の午後のチーム会議のときでした。いくつかの議題を片付けて、雑談に入ると年上の男性の社員が、「百合子さん、なんでそんなにきれいなのに、結婚しないの?」と聞いてきたのです。

唐突な質問に面食らった百合子さんは、回答できずにいたそうです。すると、年下の女性社員が「私も同じこと思いました。すごい美人なのに……彼氏はいるんですか?」と重ねてきたのです。

なぜ、そんなプライベートでデリケートな質問を、会社で聞くのか……。この質問には一体どういう意味があるのだろうか……。しばし、考えこんでしまったのです。

転職エージェントを通じて好条件の話が来たが、出産しても働きやすい日本企業に転職したものの……。

何の悪意もなく、プライベートな質問をする背景にあるのは、「社員は家族」という意識だった~後編に続きます~

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賢人プロフィール

恋愛・キャリアの賢人小川健次

恋愛カウンセラー/営業・マーケティングコンサルタントとして、年間約500名の女性をカウンセリング。恋愛とキャリアの両立のためのアドバイスが支持される。同時に、中小企業を対象とした営業、マーケティングのコンサルティングを行なう。 株式会社リエゾンジャパン代表取締役、社団法人感覚刺激と脳研究協会理事ほか、多岐にわたる活動をしている。
Blog : https://ogawakenji.com/