恋愛&結婚 子連れ離婚して気付いた「人に迷惑をかけたくない」と思いすぎるデメリット【後編】

500人以上の女性の仕事と恋を幸せに導いてきたキャリアコンサルタント・小川健次が、堅実女子の皆さんの人生を上方修正する、ちょっとしたコツをお教えする連載です。

今回のテーマは「人に迷惑をかけることが嫌い」についてです。これは様々な不幸の発生源である場合が多いのです。そこから解放されると、人生が好転することが多いというお話をしていきます。

現在、オンライン通販サイトのオーナーである山村千尋さん(仮名・33歳)は、22歳から6年間専業主婦で、離婚協議中に初めて社会人になります。小学生の娘が2人いるシングルマザーでもあります。

【これまでの経緯は前編で】

どうせなら、好きなことを仕事にする

前の会社が倒産し、再就職活動をしているとき、千尋さんは30歳でした。会社員の実務経験が2年弱しかなく、幼い娘が2人もいて、離婚協議中の女性に、あらゆる会社が不採用通知を出しました。

失意の中、夕飯の買い物に行くと、元いた会社の社長の妻と偶然再会。

社長の妻は「債務整理も終わりすっからかんよ。誰にも迷惑をかけられないから、保険金も借金の返済と社員の再就職支援に使っちゃった。でも、倉庫の一部が私の手元に残ったの。急死した夫の忘れ形見みたいなものよね」と言いました。

聞けば、社長の妻の現在の所持金は、数千円。さらに「人に迷惑をかけるような生き方なら、死んだ方がマシだ」と言ったそうです。千尋さんは「それは間違った考え方です」と言っても聞く耳を持ちませんでした。

社長夫人は「あなたに迷惑をかけたくないのだけど、誰か倉庫を借りてくれないかしら」とぽそり。その瞬間、千尋さんは「その倉庫を私が借りて、私が通販をやろう」と突然思ったのでした。

「倉庫会社での2年近い事務経験で、流通の仕組みは理解しました。すぐに奥さんに“私が借ります!”と言い、独学で通販サイトを始めることにしたのです」

どうせなら好きなことをしたいと考え、大好きなアジアエリアの生活雑貨の通販をすることをひらめきます。特に注力したのは、当時、人気に火がついていた台湾の雑貨。仕入れも安価でできます。大学時代に中国語を専攻していた千尋さんは、現地の業者とメールでやりとりできます。

サイトを見よう見まねで作り、商品をいくつか仕入れて、借りた倉庫に保管。ほとんど自力での通販サイトがスタートしました。もちろん、すぐに結果が出るわけではありません。昼は通販業務、夜は近所のスナックで日払いの仕事をしつつ、日々サイトにアレンジをかけていきます。

そこで折しも台湾ブームが到来。オープンから数か月もすると、大口の注文が入るようになり、フルタイムで働く正社員なみの利益が上がるようになってきました。

「このときに多くの人に相談し、アドバイスを得たのです。それでわかったのは“時には人に迷惑をかけさせてもらおう”ということ。多くの人が頼られると力を貸してくれるし、人間関係もよくなることに気づきました」

発想の大きな転換です。それは、過労死状態で亡くなった倉庫会社の社長が「人に迷惑をかけられない」と自分をすり減らして命を落としたことや、残された妻も、人に迷惑をかけないことを最優先して、窮地に追い込まれたことを見てきたからともいえます。

「他人に迷惑をかけまいとしすぎると、自分が不幸になってしまう。そのことに気付いたのです」

仕事は大成功、人生V字回復したが、恋人との関係は悪化した

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