恋愛&結婚 味方のつもりが…女性管理職が女性社員から嫌われてしまった理由【前編】

女性の積極登用のために転職を打診される

コロナ禍が襲っても、利恵さんのチームも会社も黒字を続けます。時代を読んで積極的に動き続けたことで、実績を出せたのです。

そして、今年、社長自らの呼び出しを受けます。

「転職の相談だ。わが社は君を失うのはとても辛い。大きな痛手だ。しかし、私の日本の恩人の会社が将来的に意義深い事業をしており、それは今後の世の中のためになる。君の力をそこで発揮してみないか」

社長はそう言って、利恵さんに転職を打診して来たのです。社長と利恵さんは深い信頼関係で結ばれており、新しい転職先の社長も含めて3人で話し合いをして、利恵さんは快諾。そして、新しい会社での勤務が始まったのです。

その食品製造会社は、従業員の半数以上が女性であるにも関わらず、女性の管理職は現場のリーダーも含めてゼロ。今後は事業拡張のためにも、女性の積極登用を図っていきたい。「そのためにも、利恵さんの力が必要です。日本では表では男女平等をうたっておきつつ、女性の地位はまだ低いまま。シングルマザーの女性が貧困に追い込まれるなど、様々な負の側面がある。日本の社会を変えていきたい」と新会社の社長は語っていました。

利恵さんは「自分を必要としてくれて、私のキャリアが、他の女性の社会進出やキャリア形成の役に立てたら」と考え、まずはマーケティング部門の副部長というポジションとして転職したのです。

「会社は私に取締役の一人としての入社を提案してきていました。しかし、それまで女性管理職がほぼいない会社に、いきなり取締役で外部から女性が入社してくるのは、少し異例が過ぎると伝えました。そして現場がわかる副部長からのスタートを望んだのです」

しかし、管理職全員が男性という会社です。現場の社員にとっては女性副部長は“珍獣”レベルの存在だったそう。最初は戸惑いを感じていた素振りがあったものの、利恵さんの適切なマネジメントによって、だんだん信頼関係が結ばれていきます。

そうして社内での実績を半年ほど積み上げ、従業員や役員たちからも評価され、利恵さんも「やれる」という自信を持てたところで、取締役に就任。

「就任時に社長と他の役員から強く要望されたのは、業績を上げるだけでなく、有能な女性社員を、管理職として登用をすることでした。やはり、日本人の男性管理職の多くが、潜在的に女性登用への偏見を持っていますから」

女性の地位を向上させたい思いもあって、仕事に邁進する利恵さん。しかし就任後半年で異変が起こります。人事部に匿名で利恵さんのパワハラが告発されたのです。

「私が、部下に暴言を吐いたり、サービス残業を強いたりしているという内容でした。目の前が真っ暗になり、ショックで体から力が抜けました」

女性管理職を増やすため、世の中を変えるために転職してきたのだが…。

「枕営業をしている」などのデマも流された…後編に続きます。

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賢人プロフィール

恋愛・キャリアの賢人小川健次

恋愛カウンセラー/営業・マーケティングコンサルタントとして、年間約500名の女性をカウンセリング。恋愛とキャリアの両立のためのアドバイスが支持される。同時に、中小企業を対象とした営業、マーケティングのコンサルティングを行なう。 株式会社リエゾンジャパン代表取締役、社団法人感覚刺激と脳研究協会理事ほか、多岐にわたる活動をしている。
Blog : https://ogawakenji.com/