恋愛&結婚 年収280万25歳OLが頼れる実業家に老後資金の相談をしたら、まんまと騙され借金400万円を作った話〜その1〜

お金の勉強のつもりで経営者の話を聞きに行った

アイさんには、会社では教えてもらえないお金のことを知ることができた喜びがあったそうです。でもまだ理解しきれない情報もあるし、結局は実際に収入を増やす方法や、なぜ女性が結婚したら節税になるのかもわからない……。

時間も遅くなったのでその日は帰り、後日またショウ君と二人でAのもとに訪れました。

Aはアイさんにこう説明します。

「お金を増やす方法だったら、銀行から借入してそのお金で事業を大きくすればいいんじゃない。俺は今はお店をやっているけど、本業は投資家だから。

お店はなくならないし、火事にあっても保険に入っているからお金はもらえる。銀行から借り入れしたお金は事業に投資して、あとはフランチャイズ権利の急成長が見込める企業株の権利を買っているんだ」

銀行から借りるお金も借金ではないの……?と不信感を持ったアイさん。ショウ君はAから勧められて、すでに投資を始めているようでした。

「創業融資といって、国が補助金を出してくれるんだよ。俺がショウの事業計画を作って、補助金を事業に出資して、その3%の配当をショウに渡しているんだ。国が出すんだから借金じゃなくて融資だよ。アイちゃんも投資しない?俺はたくさん会社を持っているから、そこで資金を回すから」

 

「そんな都合の良い話なんてあるのか?」そう疑っていたが、この後信じざるを得ない展開に。

借金=融資=賢い運用と洗脳していく

Aの話を半信半疑で聞いていたアイさん。ショウ君が騙されているのではないかと思いながらも、その証拠も見つけられない状態。ボロが出ると思って何の事業なのか聞いてみました。

「事業として、化粧品、漫画、土地、不動産、飲食店とか手広くやっている。一番、利益が出るのは不動産かな」

そして、Aは図を描いて説明し始めました。

「飲食店は原価はこれくらいで、利益はこれぐらい。利益分で新しいお店のオープンを企画してるんだ。それぐらいの資産はあるんだけど、不動産は現金化するのに時間がかかって。もしこの新規店舗が失敗しても、返せる額の試算はあるけど現金では持ってないんだよ」

そんなうまい話があるのか、不審そうなアイさんに向かってAは説明を続けます。

「お店を持っているし、六本木付近にいるから。逃げられないよ。もし、俺が死んでも保険金3億入るから大丈夫。長く水商売やっているからね、俺は詐欺師も会ったことがあるんだ。詐欺師はだいたい会ってすぐに儲け話をするよね」

借入で事業に出資し運用することと、借金の違いを話しだしたA。話を聞くうちに、借金=悪ではないのかなと思い始めたアイさん。しかし、この時点では自分は普通の会社員だし、金融機関から借り入れなんてできないと思っていました。

貯金額を聞かれたものの、怪しかったため実際より少なめの「100万円」と答えたアイさん。100万円で投資なんて大したことができないと思っていたのですが、

「100万円でも投資はできるよ。低めだけど利益がこれだけ残るから。借金して出資金を増やして運用すれば、もっと収入が増えるし賢い資産運用になる。これが本当のお金の使い方だよ」

とAは言うのでした。

アイさんは胡散臭い話だなと感じ、その日も話だけで店を出ました。

閉店後の銀行に連れていかれる

2017年11月20日。その日もアイさんは、投資や資産運用の勉強ぐらいにと思ってAに会いに行きました。18時に渋谷駅東口でAとショウ君と待ち合わせ。なんと集合場所にいたのは、高校時代の部活の後輩であるワタル君。SEをしている彼もまた、ショウ君に声をかけられたと言います。

そこにAが運転するBMWが現れました。助手席にはすでにショウ君が乗っていました。

「これから会う人はいつも来てもらうんだけど、今日は忙しいみたいで、こっちが行かなきゃなんだ。悪いね」

Aはそう言うと発進。ほどなく4人を乗せたクルマは首都高速に入りました。

暗くなるのが早い季節で、どこに向かっているかもよくわからないけれど、都心から離れている気配は感じたというアイさん。

懐かしい仲間と他愛もない話で盛り上がり、1時間ほどしてクルマが止まったのはスルガ銀行中央林間支店。

そしてAを待っていたかのように、銀行の裏口が開いて行員が出てきました。行員は「いつもお世話になっております。今日はお越しいただきありがとうございます」と面識があるようにAに話しかけ、4人を閉店後の行内の会議室に案内したのでした。

行員が差し出した名刺にはチーフマネージャーの肩書。本物の銀行で、本物の行員から融資の説明を聞いたことで、アイさんはAのこれまでの話を「本当だったんだ!」と思いました。

行員に渡された書類には現在の年収を書く欄があり、源泉徴収票もないため困っていたところ、行員は「そこはこちらで書くので空欄でいいですよ」とアドバイス。空欄のままにしておきました。

結局アイさんはスルガ銀行で400万のローンを組み、Aに貯金200万円を預けて運用してもらうことにしたのでした。

当時25歳のアイさんの年収は280万円。のちにこの行員は懲戒解雇になりますが、アイさんの年収欄は400万円ということにして融資の手続きをしていたことが分かっています。

その日にワタル君も数百万円のローンを組みました。ショウ君は、すでに別の金融機関から借りた創業融資1000万円以上をAに出資していました。

本物の銀行で本物の行員が出てきたことで、Aの誘いを信じざるを得なくなったアイさん。Aに600万円出資して、月3%の配当がAが役員をしている会社との契約でした。12月、1月、2月は18万円の配当金がアイさんに渡されます。その時は、こんなにもらえてこの調子で増えれば将来も安心だと思ったのでした。

どんなに騙されないよう注意していても、本物の銀行で本物の銀行員が出てくると、信じざるを得ない状況に。

しかしこの後、事態は急変します。~その2~に続きます。

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