働く独身40代の老後不安…「親からの相続財産って何があるの? 葬儀代は差し引ける?」相続税の対象となるものと評価方法<相続税の基本のキ>

働く独身40代の老後不安…「親からの相続財産って何があるの? 葬儀代は差し引ける?」相続税の対象となるものと評価方法<相続税の基本のキ>

お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指すこの連載。今回は、前回に引き続き山本弓枝さん(仮名・40歳 ・広告関連会社勤務)の相続税についての相談から。どんなものが相続財産にあたるのか、そしてその評価方法についての基本を紹介します。

山本さんの相談:「両親の健康状態が不安定なこともあり、弟と会うと、相続の話がよくでるようになってきました。両親は5年前に新築で家を建てて住んでいます。両親がどのくらい財産をもっているのかはわからないのですが、株取引もしているようです。これらを整理するのは大変だなと思っていて、手順くらいは把握しておきたいと思っています。

両親の家についても、相続した場合の相続税が払えるか心配です。最寄り駅から15分程度の住宅街にある一戸建てで、私ひとりで住むには広すぎるのですが、売るのももったいないと思ったり、でも相続税が高かったら売るしかないのかなと思ったり……。いくらくらいになるのでしょうか。また、相続税について、いつまでに払わなければいけないとか、節税の方法があるのかなども知りたいです。弟は結婚していて子供がいるので、孫に生前贈与してもらうのがいいのではと言うのですが、私は独身。親が他界するのも寂しくて考えたくないですが、それ以降の自分の人生はさらに心配です」

森井じゅんさんに伺ってみましょう。

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相続人が故人のすべての財産を引き継げるわけではない

相続とは、亡くなった方の財産を相続人が引き継ぐことです。しかし、相続人がすべての財産を引き継ぐことができるわけではありません。

相続人であっても、基本的に契約上の地位や立場、資格といったものは引き継ぐことができません。例えば、亡くなった方がある企業の部長だったとして、相続としてその配偶者や子どもがその職や地位につくものではありません。また、年金や福祉の受給権についても、受給者本人が亡くなればそこで権利は消滅します。公認会計士や税理士などの資格を故人が取得していたとしても、相続人は引き継ぐことができません。

故人が持っ ていなかっ た生前財産で、相続人が受け取ることができる 「みな し相続財産」  

一方、亡くなった方が生前財産として持っていなかったもので、亡くなった事実に起因して相続人が受け取ることができる財産を「みなし相続財産」と言います。厳密にいうと相続財産ではないけれど、相続財産とみなして取り扱います、ということです。

みなし財産の代表例として、  死亡保険金と死亡退職金があります。

被相続人が亡くなった後、死亡保険金は保険会社から、死亡退職金は被相続人が勤めていた会社から受け取るものであり、亡くなった方が生前に持っていた財産ではありません。そのため、その他の相続財産とは取り扱いが異なります。これらのみなし財産は、通常受取人が決まっています。そのため、受取人固有の財産と考えられ遺産分割の対象とはならないのです。そして相続放棄をしても、受け取ることができる点も特殊と言えるでしょう。

しかし、すべてが非課税となるわけではありません。 相続税の扱いについては、前回お話したように、一定額の非課税枠があり、それぞれ500万円×法定相続人の数については相続税の計算の対象外です。そして非課税枠を超えた部分については、そのほかの相続財産と合算し、基礎控除を超えた部分については相続税がかかります。

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