働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は山野さきさん(仮名・営業・32歳)からの質問です。
「会社の女子トイレの個室を使っていたら、外から私の悪口が聞こえてきました。出るに出られず、本当に困りました。結局、ドア越しに耳を澄ませ、その子たちが出て行ったことを確認してから出たのですが、デスクに戻って彼女たちの顔を合わせるのも気まずくて。こういう場合、どうしたらいいのでしょうか」
女子トイレや給湯室は、閉鎖されている場所ということもあり、気が緩みがち。久しぶりにばったり会った人とつい世間話をしてしまったり、噂話に花が咲いてしまったり……。その話の内容が、個室に入っている自分のことだったら、困ってしまいますよね。こういう場合、どう対応したらいいのでしょうか。鈴木真理子さんに聞いてみましょう。
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さっさと個室から出るべし
当人が個室にいることに気づかず、外で自分の話をしているのが聞こえてきた……となると、いい話にしろそうでないにしろ、ちょっと聞きたくなるのが人情かもしれません。しかし、こういうケースでは、悪口か、悪口ではないけれどいい話でもないというケースが多いでしょう。最後まで聞いていても、いいことなど大してありません。逆に、その子たちが最後まで話終わったタイミングで個室から出れば、盗み聞きされたという理不尽な批判まで受けかねません。その子たちの話がどうであれ、自分の用が済んだら、さっさと個室から出ましょう。
会話についてリアクションする必要はない
もし何かの話が耳に入ってきたとしても、知らん顔で、聞こえないふりをして出たらどうでしょうか。当然、噂話をしていた子たちは、焦るでしょう。でも、あなたは気にせずいつも通りにしていればいいのです。必要以上にニコッと笑顔を向ける必要もなければ、ふてくされる必要もありません。あなたの存在自体で、彼女たちにトイレの中でおしゃべりするのはリスクがあることなのだと暗に知らせば十分です。そこでネチネチと叱ったりすれば、自分の悪口だから逆切れしたと思われたり、またお局のマナー講座が始まったと煙たがれてしまいます。