我が子をダメな大人に育てる3つの方法

我が子をダメな大人に育てる3つの方法

大切な我が子、どう育ってほしいですか?

大切な我が子、どう育ってほしいですか?

こんなこと言うと反射的に逆上されそうですけど、教育熱心な親と毒親とは紙一重です。父親にせよ母親にせよ、ややこしいフラストレーションやコンプレックスやルサンチマンを抱えていて、それを埋め合わすために我が子の教育に情熱を傾けているケースも少なくありません。いやいや、熱中できることがあるのはけっこうなことですが。

もちろん、どういう方針やスタンスで親をやろうが自由だし、完璧な親なんてどこにもいません。はたから見てどんなにヘンだと感じてもどんなに呆れても、「自分だって人のことは言えない」と生温かく見守るのが大人の謙虚さであり割り切りです。

ただ、そういうタイプが無駄に張り切ることで、学校や先生が過剰に防御態勢を整えてしまうなど、自分の子どもが困った影響を受けるのは防ぎたいところ。ここぞという場面では、相手の声の大きさにひるまずに、きちんと戦って大人げなくやり込めましょう。

さて、話は変わりますが、というか話を変えたふりをして同じ流れの話ですが、そういう人たちに学びつつ「我が子をダメな大人に育てる方法」を考えてみました。反面教師にしてもらうのが妥当な活用法かとは思いますが、もし我が子をダメな大人に育てたい場合は実践してみてください。子どもは迷惑ですけど、自分は目先の快感が味わえます。

その1【子どもの前で先生や学校や「今の教育」の批判をする】

批判精神を持つのは大いにけっこうです。しかし、子どもの前で「あの先生はダメだ」とか「学校のやり方はおかしい」とか「今の教育は間違っている」とか、そんなことを得意気に言ってしまうのはあまりにも浅はか。もしかして、子どもが「先生や学校を批判できるなんて、ウチの親はすごい」と尊敬してくれると思っているのでしょうか。

親が「あの先生はダメだ」と否定していたら、子どもは先生をバカにして、先生の言うことに耳を傾けなくなるでしょう。学習面でも生活面でも、貴重な教育の機会を見事に奪ってしまいます。学校の批判も、それを聞いた子どもは「自分はそんなダメな学校に行っているのか」と己の人生を悲観してしまうし、せっかくの学校生活も楽しくなくなってしまうでしょう。「今の教育」の批判も同様です。

世の中には物分りの悪い人や読解力のない人や頭に血が上ると攻撃的になる人がいるので、念のためにかみ砕いて繰り返しますが、批判精神を持ってはいけないとか先生や学校や「今の教育」を批判してはいけないなんて、カケラも言っていません。何も考えずに、あるいはカッコいいと思って、子どもの前で批判を口にすることが、大人としてあまりにも浅はかで子どもにしてみたら極めて迷惑な行為だという趣旨です。

先生や学校に対して本気で「こりゃまずい」と思うことがあったら、知恵を絞って作戦を立てて挑まないと、おそらく適当にごまかされるだけで何も改善しません。思いついたままうるさく言うだけだと、先生や学校を無駄に警戒させたり委縮させたりすることになって、長い目で見るとデメリットのほうが大きいでしょう。

その2【気に入らないことがあったら教育委員会に電話する】

世の中では毎日のように、困った教師や困った学校のニュースが流れています。それはそれでとても困ったことですが、すべての教師や学校に問題があるわけではありません。大半の先生や大半の学校は、いろんな制約や「上」からの理不尽な要求の中で、一生懸命に頑張ってくれていると思います。

それこそ親と同じでけっして完ぺきではないにせよ、お互い様ってことで上手に付き合っていきたいところ。子どもにとってのメリットを長い目で考えるなら、小さいことにいちいち噛みつくのではなく、おだてたりすかしたりしながら張り切ってもらうぐらいのしたたかさを発揮するのが大人の知恵であり、大人としてのプライドです。

これも「本当に必要なときにはやったほうがいいけど」という前提での話なので、キーッとならないでください。あれこれ手を尽くして「デメリットもあるけどやむを得ない」と覚悟を決めた上でやるならともかく、気に入らないことがあったらすぐ教育委員会に電話するのは、我が子をダメな大人に育てる上で、間違いなく効果的でしょう。

学校も「組織」の一部ですから、教育委員会に対して校長先生や、ひいては個々の教師が弱い立場であることは、大人なら何となくわかります。そこに付け込んで、たいていは身勝手な自分の要求を通すために安易な手を使うのは、もしかしたら本人は「自分って頭いい」「自分って世の中の仕組みをよくわかっている」と悦に入っているのかもしれませんけど、やっていることは単なる「弱い者いじめ」に過ぎません。

そんな親の行動を見た子どもは、気に入らないことがあったら、自分が正しいのか間違っているのかじっくり考える前に、相手の弱みにつけ込んで黙らせればいいということを学ぶでしょう。ここでも先生や学校をますますナメるようになり、勘違いした傲慢さばかりを身につけて、肝心なことは身につけずに過ごす羽目になります。弱い者いじめに精を出して、もっともらしい理屈で自分を正当化する術に長けた人にもなれそうです。まあ、そんな親がイメージする範囲での「教育的効果」は抜群なのかもしれませんけど。

その3【この記事を子どもに読ませる】

何かのハズミか勘違いで、この記事を面白いと思ってくださったとします。あなたのお子さんが小学校高学年以上の場合、ダメな大人に育てたかったら「ほら、読んでごらん」とこの記事を勧めてください。大人はけっして万能ではなく、けっこうチンケでセコイ事情で生きていると気づくはずです。年齢によってはすでに薄々は気づいているかもしれませんけど、さらに大人を侮って、ダメな大人に育ってしまうでしょう。

この記事に対して「ケシカラン!」と怒りを覚えた場合も、よかったら「こんなバカなことを言っている大人がいる」と勧めてください。賢明なお子さんなら大人同士の足の引っ張り合いの醜さに気づいて、大人に幻滅してくれるでしょう。あるいは、何かのハズミか勘違いで面白いと思ってくれたら、怒りながら見せてきた自分の親を批判的な目で見るようになって、いろんな支障が出てきます。

でもまあ、子どもは親が思っている何倍もたくましくてしたたかですから、親の多少の欠点や問題点なんてものともせず、なるようになってくれるでしょう。親はバカでも子は育ちます。逆に、いい歳をしてあれこれ親のせいにしている大人もいますが、自分が困った部分を持ち合わせているのはもっぱら自分のせいで、親のせいではありません。

あっ、言い忘れるところでした。ダメな大人に育てたかったら「うどんはコシが命」という狭い価値観を押し付けるのも有効です。そうなってほしくなかったら、今まで書いてきたことはさておき、折に触れて「讃岐うどんも稲庭うどんも伊勢うどんも、コシがあってもなくても、細くても太くても、みんな違ってみんないい」と吹き込み続けましょう。すべてをふんわり受け止められる人間になれたら、たいていのことは何とかなります。(石原壮一郎/citrus)

 

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